自転車世界一周の旅~よってぃ絵日記(その2 メキシコ)
首都メキシコシティに到着。ここまできて、大きな失敗に気が付く。まず、僕は地図をメキシコまでのものしか持っていなかった。地図は現地で買うものだと思っていた。紀伊国屋など、東京の大きな書店に行けば輸入地図が売っていることはもちろん知っていたが、輸入地図は1枚2,000円もする。しかも、世界一周分の地図やガイドブックを全部積んで自転車で走れるわけがない、だから地図はその場その場で買うべきだ・・・が、しかし。これは大きな間違いだった。メキシコでメキシコの地図は売っているが、そこから先の地図がどうしても見つからない。南米に行けば書店そのものが滅多になく、道路地図はまず手に入らない(1999年当時)。まずい。今ならスマホでGoogleマップを・・なんてことはもちろんできない。
また、僕はメキシコから先のルートを決めていなかった。高校社会科で使った世界地図帳に「パンアメリカンハイウェイ」という道が1本、北から南まで伸びていたのを覚えていたが、これをなんとなく走ってみようというくらいの計画。こんなの、計画と呼べるのか?パナマからコロンビアは道が繋がっていないことも知らなかった。当時の僕にとっての南米といえばマチュピチュとナスカの地上絵、アマゾン川くらいのイメージだけ。ウユニ塩湖さえ知らなかった。メキシコシティ滞在中、宿にいた旅行者たちに南米の観光ハイライトを教えてもらい、大学ノートに手書きの南米大陸の地図を書き、毎日勉強。南米見どころマップを手作りで作成、「こんな感じで走ろう」とイメージをつくる。季節が重要なことも教えてもらった。南米最南端に雪が降るまでに到着するには、ペルーまで飛行機で飛ばないと間に合わないと判明。翌日、早速ペルーまでの片道航空券を買いに行く。自転車世界一周と言っておきながら、早くもインチキな旅。でも、ま、いっか。中米や南米北部はまた次回来ればいい。(その後、中米~エクアドルはバス旅やバイクツアーの添乗で訪れた。)
メキシコシティに滞在している間、宿の近くのタコス屋台に毎日通った。日本のメキシコ料理店で見かけるタコスと全然違った。雰囲気は日本の焼き鳥の屋台に似ていた。