自転車世界一周の旅日記(その8)RUTA 40

アルゼンチンに入って最初の町、リオ・マヨで銀行を見つけた。でも、トラベラーズチェックは両替してくれない。ここから750kmほど先の観光都市カラファテまで行かないとトラベラーズチェックは使えないらしい。なんてこったい。手元に残っていたチリ通貨はアルゼンチン・ペソに両替してくれた。わずか70ドルほどの現金しか作れなかった。カラファテまで750km。通常なら自転車で1週間の距離。1週間70ドルで行けるかな?宿泊はキャンプだからタダ。水も水道水なら無料でもらえる。食費は1日10ドルと考えれば、なんとか行けるかもしれない。

リヨ・マヨから続く40号線は「RUTA 40~ルータ・クアレンタ」と呼ばれ、南米を走るライダーには憧れの道らしい。首都ブエノスアイレスを起点とせず、都市から遠く離れた僻地を走るこの道は国の重要路線ではない、ということで長い間未舗装のままだった。その結果、「国を代表する幹線道路のくせに1000km以上ダートが続く道」として有名になり、オフ好きの世界一周ライダーたちに「死ぬまでに走ってみたい世界の道」としてランクインしていた。ただのダート1000kmではない。「Fin del Mund=世界の果て」という異名をもつ南米最南端の町ウシュアイアを目指す道として、このうえなく旅情を掻き立てる道なのだ。また、「風のパタゴニア」という言葉に見られるように、この地域にはいつも強烈な西風が吹き付ける。秘境を旅しているのだというムードをさらに盛り上げてくれる。

ただし。自転車にとっては悪夢だった。向かい風というよりは横風が多かったが、毎日1日中、台風並みの風が吹きつける。進む速度は平均6km/hくらいしか出せない。砂利が深いときは、ペダルを漕ぐことさえできない。自転車が前に進まず、ペダルを漕ぐとタイヤが横を向いてしまうかタイヤが砂利の上で空転した。途中から諦めて自転車を降りて押して歩くことにした。そのほうがずっと楽だった。カラファテまで750kmの距離をを1週間で走れる、という考え方は大間違いだった。実際には1日に50kmも進めない。お金さえきちんと準備していればよかったのだが、もう遅い。さて、どうしよう。悔しいけど・・・ヒッチハイクすることにした。相変わらずインチキなナンチャッテ自転車世界一周の旅なのだ。

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