自転車世界一周の旅日記(その22)アナトリア高原を東へ

イスタンブール到着後、所用があって一時帰国した。ちょうど地元のスキー場がシーズン準備を始める時期でバイトを募集していたので、秋から翌春まで住み込みでバイトさせてもらった。旅の資金を増やし、3月に再びイスタンブールに戻る。今回はルートも大まかに決まっていた。前回とは違い、訪問予定各国の地図もすべて持参した。イスタンブールからトルコ、イラン、パキスタンとアジアハイウェイを横断し、インドのカルカッタがゴールの予定。基本的に暑い場所ばかりのため、冬装備は不要となり、荷物もかなり軽量化できた。

イスタンブールの宿にチェックインするとき、ホテルのスタッフに行先を聞かれてイランと答えたら「じゃあ、1カ月は滞在するね」と言われた。イランのビザ取得は、それほど時間がかかるらしい。実際には2週間ほどで取れた。でも、この町はやはり居心地が良く、ついつい1カ月ほど滞在してからの出発となった。ボスポラス海峡を船で渡り、アジア側へ上陸。アナトリア高原の田舎道を走る。

やがて、奇岩で有名なカッパドキアにやってきた。スーパーマリオの世界そのまんまや!と思った。今にもあの懐かしいファミコンの音楽が聞こえてきそうだ。話には聞いていたが、本当にキノコのような形の岩山が並んでいる。メルヘンな光景がどこまでいっても続く。そのキノコ岩が住居になっているものもあり、住人が妖精たちのように見えた。ついついカッパドキアにも3泊してしまった。トルコは東に向かうにつれ標高が高くなり、だんだん寒くなった。夏装備しか持っていなかったので寒さはピンチだったけど、パタゴニアのように孤独で震える寒さとは違った。毎日ほぼ確実に温かいホテルがあり、温かい食事があり、多くの人に囲まれて話しかけられた。

西洋との決定的な違いは、常に人が好奇心を持って集まってくることだった。イスタンブールを境に、やたら地元の人との集合写真が増えた。自転車で走っててお茶を呼ばれては集合写真、検問所で警察や軍隊と集合写真、ホテルのチェックアウト時にスタッフや近所の方々と集合写真。地元の人との会話が温かさを与えてくれてたのは間違いない。やがて、この集まって来る人を鬱陶しく感じるようになってしまうのだけど、それはまだまだ先の話。トルコの旅は毎日が幸せだった。

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