自転車世界一周の旅日記(その13)アルガルヴェ~ヨーロッパの田舎

女子サッカー国際試合が行われるアルガルヴェ地方の海岸線に沿って走る。ヨーロッパの旅が始まってから毎朝、その町のカフェでコーヒーを飲むことにした。それまでは少しでも節約しようと思い、ホテルの部屋やキャンプ地でお湯を沸かしてインスタントコーヒーだった。でも、ヨーロッパのカフェというのは日本の喫茶店とは違い、その町の風景、その町の人間を観察するのが面白いと気が付いた。オープンテラスのカフェが多く、テーブルとイスは通りを向いている。町をゆっくり眺めるための場所がヨーロッパのカフェだった。スペインやポルトガルは物価が安く、コーヒー代は100円か200円くらいだったが、プチ贅沢な毎朝の儀式となった。

マドリッドでもカフェに行ったが、スリや盗難にいつもピリピリしていなければいけなかった。でも田舎は違う。名前も知らない町のカフェでゆっくりするのがとにかく気持ちよかった。ヨーロッパにもこんなのどかな空気がながれてるのだ。これまで自分が知っているヨーロッパといえば、ロンドン、パリ、ローマなど都会の風景だけだったが、もちろんヨーロッパにも田舎がある。南米でも思ったことだけど、観光地でも有名でもない、普通の風景を見るのが楽しく感じた。道行く人も全然お洒落をしていない。長靴や作業着姿のままカフェでビールを飲む男や、部屋着のようなスタイルで八百屋で買い物している女性、洗濯物を干すお母さん、路地裏で遊ぶ子供たち。その国の生活を見ることのほうがずっと面白かった。

そのうち、エッフェル塔やバッキンガム宮殿なんて行かなくていいや、と思うようになった。毎晩、ホテルの部屋でヨーロッパ全図を広げて作戦会議。パリやロンドンはいつか鉄道の旅で行けばいい。今回の旅はあちこち欲張らず、スペイン、南フランス、イタリアと地中海沿いに走ってみることにした。

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